半正定値緩和法
ここでは, 件の行列方程式を解く方法を述べる. ただし, 行列方程式を解くにはまず焦点の位相を決定する必要がある.
行列方程式を解いて得られた解が振動子出力の制約を満たさないのなら, 出力を一律に抑える必要がある. そのため, 一部の振動子が突出して強いパワーで駆動するような解が得られたとしたら, 上限に合わせて全体をスケールしなければならず, 弱い場が生成されてしまう. このような制約の下で, “良い”解を見つけるために, 焦点における位相を最適化する手法がこれまでにいくつか提案されている.
以下に, 井上らによる半正定値緩和法によるを紹介する[^inoue2014siggraph] [^inoue2014asia] [^inoue2015active].
まず,
ここで
ここで,
を満たすような
となる.
ここで,
(以下の議論は文献[^phase]の2.4. Complex MaxCut.による.)
上記最適化は制約条件により凸問題ではない.
そこで,
となる.
ここで, ランク制限を落とすと半正定値問題となり, 効率的に解くことができる.
ブロック座標降下法を用いて
あとは,
を満たす
として計算できる.
ただし,
である.
井上らの方法では, ここにさらにTikhonov正則化が入る1. すなわち, 最小化問題に以下の正則化項を加える.
この正則化には, 解の大きさを抑えるような効果がある. この場合の解は, 以下で与えられる
[^inoue2014siggraph]: Inoue, Seki, et al. “HORN: the hapt-optic reconstruction.” ACM SIGGRAPH 2014 Emerging Technologies. 2014. 1-1.
[^inoue2014asia]: Inoue, S., et al. “HORN: Stationary airborne ultrasound 3d haptic image.” Asia Haptics (2014): 18-20.
[^inoue2015active]: Inoue, Seki, Yasutoshi Makino, and Hiroyuki Shinoda. “Active touch perception produced by airborne ultrasonic haptic hologram.” 2015 IEEE World Haptics Conference (WHC). IEEE, 2015.
[^phase]: Waldspurger, Irene, Alexandre d’Aspremont, and Stéphane Mallat. “Phase recovery, maxcut and complex semidefinite programming.” Mathematical Programming 149 (2015): 47-81.
Footnotes
Section titled “Footnotes”-
論文には具体的な正則化の方法は書かれていない. ↩